ーー ちょっと脱線しちゃいましたね。そういうふうな環境でこういう製品が生まれたというところがあるんですね。ただその容量がある程度稼げるという点は凄いメリットだと思うんですけど、逆に言ったら衝撃だとか色々な高いハードルが付帯してくるじゃないですか?そこら辺はクッションだとかそういう緩衝材である程度、そっち方面のケアをすれば、デバイスだとかそういうモジュールを入れても大丈夫だろうとかっていうふうな考えというか計算があったのですか?
菊川 スニーカー自体がかなりソールで衝撃を吸収するようになっているので、そういう部分もありますし、あとはなんか部位によってかかる衝撃とかが、かなり違ってくるので、そういうところを調べていったりとか、一応そうですね、3年以上やっているので、その中でこういうやり方であれば耐久性を出せるとか、上手く使えるみたいなところは積み上がってきてるので。
ーー じゃあちょうど今ここの部分がそこの埋め込みの場所なんですけど、ここはやっぱりある程度、ここだろうっていう算出というか、強度とかいろんな面での落としどころがここだっていうところですか?
金井 まさにそこですね。実際に作って試してみた結果もですし、いろんな実験を経てこの辺の荷重が少ないとか、力学的な知見と合わせて、ここがいいかなっていうのがあったんです。
ーー それが構想からどのぐらいの?わりと半年とか短いスパンで?
菊川 いやいや。そういう意味では本当にこの起業以降であらゆる箇所、たぶん検討には入れているので、そのどの期間でパッと決まったということはないですね。
金井 これの前身のプロダクトがあるんですよ。
ーー それも見たいですね。もし問題なければ。
菊川 全然問題ないです。
ーー 面白いですよ。こういうものづくりの過程っていうのは。こういうお話ってなかなかね。こういう機会じゃないとお伺いできないので。個人的にもの凄く面白いお話だなと。
金井 こっちが前のORPHE。最初にオルフェと名付けたプロダクトで。
ーー そもそものそのネーミングですか?ORPHEっていうのはたぶん思い入れがあると思うんですけど。そこら辺もちょっと語っていただきたいですね。
金井 質問が上手いですね。
ーー いやいや。そんなことないですよ。
菊川 ORPHEはオルフェウスからきているんですね。ギリシャ神話の吟遊詩人なんですけど。これはまた話が複雑になるんですけど。
ーー 構わないですよ。
菊川 これは元々のコンセプトはタップダンスとかフラメンコみたいな時に靴が楽器として使われると思うんですけど、それの電子楽器版が作られるんじゃないかと思って。で、ダンサーの動きというのをトリガーにして音を出す新しい楽器を作るみたいなコンセプトは最初のこれは作ったんですね。
ーー 元々そっちがあれだったんですか?本筋は?
菊川 それもちょっと何とも言えなくて。
ーー その着眼点もの凄く面白いなと思ったんですよ。
菊川 楽器にずっと興味はあったんですね。で、これ事業として成り立たせる時にその全部の靴がスマートになるからって言ってたのは最初からあったんですけど、最初のプロダクトがあって知ってもらわないことには広がらないと思っていたので、あえてこうその、自分がやりたいことでもあるし、そういうニッチなところで深いものをやるっていうことでこれを最初にやったというのが流れとしてあるんですね。
ーー 戦略としてもあるんですか?
菊川 そうですね。半々ですね。やりたかったっていう、やりたかった。
ーー 面白いですね。そういえば過去に岩井俊雄ってアーチストがインタラクティブな事を手がけていましたが。
菊川 岩井俊雄さん。
ーー ご存知ですか?
菊川 はい。
ーー なんか動きがあるとそれに反応してビジュアルが出てくるところからちょっと関連性を感じたので。
金井 そういうの多いですね。
菊川 僕らも結構そういうメディアアートみたいな流れからきているので、凄くそういうところに広がってると思います。
ーー 面白いですよね。実際にテイ・トウワとか、あそこら辺の方とかに提供したら、爆発的に広がるんじゃないですか?
菊川 そうですね。ニッチですけどね。
高橋 このまま売れないんですか?
ーー 売れると思いますね。
菊川 これはもう売ってるんですけどね。
高橋 どういうところで?
菊川 アマゾンとかで売っています。
高橋 リアル店では?
菊川 蔦屋家電とかで売ってます。
ーー ちなみに一足おいくらぐらいですか?
菊川 ここに置いてあるこれは13万ぐらいするんですけど。一般版みたいなのがあって、これはちょっとアンリアレイジっていう凄い高いブランドの皮を使った限定品だったので、たまたまこれは高いですけど、普段のやつは税込み4万4,800円なので。4万1,500円ぐらい。
– 全然いいじゃないですか、それぐらいなら。
ーー そんなにあれですね。手が届かない価格ではないですね。
菊川 そうですね。
– これ音が出る?
金井 音出ますね。
ーー ホームページを拝見させていただいて。アプリを介していろいろあれですもんね。光も色も変えられますし、音も変えれますっていう。
菊川 そうですね。
ーー 面白いですね。これは。